コインチェックなどの暗号資産取引所には、「販売所」と「取引所」の2つの売買できる場所があり、ビットコインなどの暗号資産の取引をするには、どちらかで暗号資産を売り/買いすることになる。
その売り買いをする際にかかるのが「手数料」であったが、この記事で解説するのは、「取引所」における手数料(取引所手数料)についてである。
この「取引所手数料」でややこしいのが「Maker」「Taker」で手数料が異なるというところ。
「Maker」「Taker」ってなんやねん!
と思った方は、ぜひこの記事を読んでみてほしい。
また以下の記事でコインチェックにおける5つの手数料について詳しく解説しているので、「Maker」「Taker」の前にまずはこちらから読んでもらったほうが理解が早まるだろう。
ここまでの記事では、暗号資産初心者におススメしている「コインチェック」における口座開設からビットコインの購入の仕方まで解説してきた。口座開設から購入までのステップにおいて、何度か「手数料」という言葉が出てきたかと思う。このブ[…]
「Maker」と「Taker」の意味は?
まず簡単に記載しておくと、「取引所」における売買において
・売り板/買い板に表示されてない価格(レート)で注文を出す ➡ Maker
「取引所」における2つの注文の仕方を理解しているなら、
・指値注文 ➡ Maker
このように書いたほうがわかりやすいかもしれない。
取引板を見て「Maker」と「Taker」を説明
コインチェックの取引所の画面を用いて具体例を見ていこう。
コインチェックでBTC:ビットコインを購入するケースを例に記載していこう。
Taker の取引
この板の状況を見てみると、「1BTC=2,988,294円で売りたい」という注文がこの時点での最安値で提示されている。
もしこの板に表示されている価格でBTC:ビットコインを購入するのであれば、「Taker」となる。
先ほど記載したように、
となり、この取引では「Taker」の手数料が適用されることになる。
Maker の取引
では「Maker」とは何かというと、、、
この板に表示されている売りの価格(レート)より低い価格を指定して「買い」注文をだしたのであれば、それは「Maker」になる。
これも先ほど記載したとおり、
に当てはまる。
「成行」「指値」で考えるとわかりやすい
板取引の注文方法については以下の記事にて詳しく解説している。
前回のこちらの記事では、コインチェックでビットコインを購入するステップを詳細に解説してきた。ビットコインを購入するには「販売所」と「取引所」があり、まず最初は「販売所」で購入してみることを推奨してきたが、「取引所」ついてはアプリから[…]
「板取引」での注文方法は「成行」と「指値」の2種類あり、これにあてはめたほうがわかりやすいかもしれない。
おさらいをしておくと、
つまり、成行注文は価格(レート)は指定しないので、売り板に表示されている価格(レート)で購入することになるから「Taker」となる。
逆に指値注文では、新たに価格(レート)を指定して「買い」の注文をだすので、買い板に新たな価格(レート)を作り出した、つまり「Maker」になったということである。
「Maker」「Taker」と呼ぶ理由について
ここまでの説明で何となく「Maker」「Taker」については理解できたのではないかと思うが、改めてなぜ「Maker」「Taker」と呼ぶのか?
これは基本的な英語で、Make=作る、Take=取る なので、以下のように表現できるはずだ。
Takerは、板に既に表示されている価格(レート)を取って使う人
Makerは板に表示されてない価格を提示したことで「板取引に新たな流れを生み出した」といっても過言ではない。逆にTakerは今あるものを使うということになるので、板取引には新たな流れは生まれない。
「Maker」と「Taker」の手数料
各暗号資産取引所では、Makerとして売買するか、Takerとして売買するかによって手数料の設定を分けていることが多い。
多くの暗号資産取引所では、「Taker」の手数料の方が高い傾向にある。
例えば、「GMOコイン」の場合、Maker:-0.03%~-0.01% Taker:0.05%~0.09% という設定になっており、Takerのほうが手数料が高い。
もう1つ例に挙げると「ビットバンク」も Maker:-0.02% Taker:0.12% でやはりTakerのほうが高い設定だ。
なぜ「Taker」のほうが手数料が高いのか?
それでは、なぜ「Taker」のほうが手数料が高いのだろうか?
先ほども記載したとおり、Makerは板に表示されてない価格を提示したことで「板取引に新たな流れを生み出した」ということから、何となくTakerよりも優遇されそうな感覚はあるかと思う。
そしてTakerのほうは、Makerが作った価格(レート)をそのまま使わせてもらって取引するということで、ちょっと意味合いは異なるかもしれないが「人の褌(ふんどし)で相撲を取る」ようなもの?なので、そんなときにはやはり手数料を取らないといけない。
その他、例えばビットコインが高騰しているときにすぐにでも買いたい!というときは、価格(レート)はいまあるものでいいから「成行」ですぐにでも購入できることもあり、「すぐに売買できる」というメリットもある。
誤解を恐れずに書いてみると、このようにTakerのほうが「要領の良いうさぎ」のようなところがあるので、手数料を高めに設定しているところが多いのではないだろうか。
Makerで「買い」が成立すればお得?
指値でMakerとして「買い」が成立した場合は、今ある価格(レート)よりも更に低い価格で購入でき、更に手数料も安くなるので、「成行」でTakerとして買うよりも「お得」になることはなる。
ただし、指値で指定した価格(レート)が相場からかけ離れていて、誰も売ってくれる人が現れなかったときは取引が成立しない状態がずっと続いてしまうので、ここはよく「板」の流れを掴んで指値をしたいところである。
コインチェックは手数料が無料!
ここまで「Maker」と「Taker」でそれぞれ手数料がかかり、「Taker」のほうが手数料が高い傾向にあることを解説してきた。
手数料の設定は各取引所によって異なるので、事前によく調べておく必要がある。
ここでやはりおススメしたいのが、コインチェックの場合、取引所におけるビットコインの手数料は「無料」であるということ。
引用:コインチェック
https://coincheck.com/ja/exchange/fee
先ほども記載した「GMOコイン」「ビットバンク」などは手数料が設定されており、「ビットフライヤー」でも0.15%の手数料がかかる。
他の通貨の場合は手数料がかかる場合があるが、このブログ/記事ではBTC:ビットコインをメインに紹介しているので、やはり暗号資産の初心者は「コインチェック」から始めるのが無難であろう。
コインチェックの口座開設については、以下の記事に詳細を記載しているので、まだ口座開設してないのであれば参考にしてほしい。
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まとめ:「Maker」と「Taker」の手数料
これまでの説明をまとめると上記のようになる。
・売り注文の場合:現在の価格(レート)より上なら「Maker」、下なら「Taker」
・成行注文の場合:常に「Taker」
次の記事:ビットコインの売り方と注意点
ここまでビットコインを購入する内容・手順の解説を進めてきたが、次は所持しているビットコインを売却するやり方を解説していく。
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