前回のこちらの記事では、コインチェックでビットコインを購入するステップを詳細に解説してきた。
ビットコインを購入するには「販売所」と「取引所」があり、まず最初は「販売所」で購入してみることを推奨してきたが、「取引所」ついてはアプリから購入できなくなったということもあり、ブラウザから購入する方法を簡易な説明するにとどまった。
というのも、
「取引所」で購入するやり方がわかったとしても、目まぐるしく数値が変わる「板」のどこをみて、どのように購入したらよいのかがわからなかったのではないだろうか?
この記事では、そもそも「板取引」とは何なのか?
「板」の見方から取引のやり方・購入の仕方と関連する用語なども含めて、解説していこうと思う。
暗号資産の「板」とは何か?
「販売所」「取引所」のおさらい
まず、ここまでのおさらいを少ししておく。
冒頭でも少し記載したとおり、暗号資産を購入するには「暗号資産取引所」の中にある「販売所」「取引所」のどちらかで購入することになる。
ここでいう「暗号資産取引所」とは、これまで紹介してきた「コインチェック」「ビットフライヤー」「GMOコイン」「ビットバンク」などの暗号資産を取引する場所を提供・運営している会社のことである。
暗号資産を購入するには、これら複数ある暗号資産取引所の中から自分に合った取引所を選んで自分の「口座」を開設する必要がある。
参考記事)コインチェックの口座開設は超簡単!アプリ画面を1ステップ毎に詳細解説する
https://kosodate-enjoy.com/coincheck-account/
自分の口座を開設しそこに日本円を入金できたら、いつでも暗号資産を購入することができるのだが、暗号資産を購入する場所として「販売所」「取引所」の2種類がある。
コインチェック=暗号資産取引所なのだが、そこに更に「販売所」「取引所」という2つが登場してきたもんだから少し混乱するかもしれない。
「暗号資産を購入するには2つの場所があるんだな」と、素直に覚えてもらえればオッケーだ。
「販売所」と「取引所」では購入する相手が異なる
そして「販売所」と「取引所」では購入する相手が異なることも紹介した。
取引所:ユーザー同士で直接ビットコインを売り買いする
「販売所」だから、コインチェックがお店になってビットコインを売っており、「取引所」はまさにコインチェックがユーザー同士の取引の場になっているということである。
まず初心者は「販売所」で購入するところから始めることを推奨しており、以下の記事にはその購入までの詳細ステップを解説している。
参考記事)コインチェックでBTC購入ステップをアプリ画面を使って丁寧に解説する
https://kosodate-enjoy.com/coincheck-purchase-steps/
そして本記事では、2つめの購入場所となる「取引所」での購入について詳しく解説していく。
コインチェックの「取引所」を紹介
これまでの流れから、ここからの説明はコインチェックにおける取引所に関して記載していく。
初心者にはコインチェックの画面が取っ付きやすいことから、まずはコインチェックの取引所に関して理解してもらえれば、他の暗号資産取引所の取引所に関してもすんなり理解できるだろう。
以前はアプリから取引所での購入を行うことができたのだが、2023年1月時点ではブラウザからしか購入できなくなったようなので、以降はブラウザの画面を使って解説していくことになる。
まず取引所で暗号資産を購入するときには、「板」というものを見る必要がある。
実際のコインチェックの画面から「板」を見てもらうほうが早いだろう
ブラウザからコインチェックにログインすると上記の画面が表示される。
この太赤枠の部分には「BTC買い板/売り板」と記載があるが、この部分が「板」である。
赤枠内の上半分には赤文字で「売」、下半分には緑文字で「買」と表示されており、この数値が目まぐるしく変わっていくのがわかると思う。
ここで「取引所」とはどんな場所だったかをもう一度記載しておくと、
つまり、この「板」がユーザー同士の取引の場になっているということだ。
「板」は何のためにある?
コインチェックのユーザーで、「取引所」でビットコインを売りたい人・買いたい人がこの「板」でやりとりしている。
ビットコインを(この価格)で(この数量)売りたい人、買いたい人が、この「板」の上で取引を行っているということであり、この「板」を見れば「買いたい価格と数量」と「売りたい価格と数量」が一目でわかる。
このように「板」を見れば、「売り」と「買い」の需要と供給がどんな状況かがわかるので、暗号資産の取引を行うことができるという訳だ。
後ほどもう少し詳しく「板」の見方を解説するが、ここでは「板」についてざっくりとわかっててもらえれば十分だ。
暗号資産の「板」の見方
ここからは具体的な「板」の見方について記載していく。
これまでの記事では初心者はまずは「コインチェック」から始めることを推奨してきたので、ここでも「コインチェック」の板の見方を例にして解説していくことにする。
他の暗号資産取引所の板についても、同じような見方で見てもらえればオッケーなので安心して欲しい。
コインチェックの「板」の見方
こちらがコインチェックの「板」の画面。
赤枠の【売り板】には「売り注文」の「レートと注文量」が並んでおり、緑枠の【買い板】には「買い注文」の「レートと注文量」が並んでいるのがわかる。
「売」の一番下にはその時点で一番レートが低い注文が表示されており、この場合では「1BTC = 2,988,294円」で「0.0117BTC」を売りたいという人がいるということを表している。
逆に「買」の一番上にはその時点で一番レートが高い注文が表示されており、この場合では「1BTC = 2,987,423円」で「0.0552BTC」を買いたい人がいるということになる。
「板取引」の注文方法は「成行」と「指値」の2種類
ここまでの内容で「板」にはどんな情報が掲載されているのかまで理解できたと思う。
次に具体的な購入方法に入っていきたいのだが、その前に前提となる「板取引」の2通りの注文方法から解説していこう。
ここは「板取引」をする上でよく理解しておかなければならないところなので、まずはそこから解説していこう。
「成行」注文とは
例えば、
ビットコインを「すぐに0.005BTCを購入したい、1BTCの価格(レート)がいくらの時でもいいので」
というケースのときに行う注文方法である。
このケースでは、0.005BTC=数量(注文量)は指定しているが、価格(レート)の指定はなしで注文をしていることになる。
約定価格(=売買が成立するときの価格)を指定しない注文なので、価格は注文した時点の市場価格によって決まることになる。
注文した時点の市場価格とは具体的に何を指しているのかというと、以下のようになる。
- 買い注文:その時点で板にある売り注文の最低価格で売買が成立。
- 売り注文:その時点で板にある買い注文の最高価格で売買が成立。
「成行」という言葉が示すとおり、その時点での市場の価格動向によって売買が成立する注文方法である。
「指値」注文とは
例えば、
ビットコインを「0.005BTCを、1BTCが250万円になった時に買いたい」
というケースのときに行う。
指値注文では、「0.005BTC=数量(注文量)」を指定し、かつ「価格(レート)=250万円」も指定する。
もう少しイメージが湧くように具体的に書いてみると・・・、
例えばビットコインを0.005BTC分 購入したいと思い立ったときの1BTCの価格が275万円だったとしよう。
とにかくすぐに0.005BTCが欲しければ「成行」で注文して購入することになるが、
その時の1BTC=275万円という価格が割高だと思う場合に、「1BTC=250万円」まで下がった時に購入できるような注文を入れておくのが「指値」の注文である。
指定した価格(レート)になったら 買う/売る ようにする「予約注文」のようなものである。
当然ではあるが、「指値」で指定した価格にならなければ、売買は成立しないことになる。
- 買い注文:売りに出されている価格が、「指値」で指定した価格以下になった場合
- 売り注文:買いに出されている価格が、「指値」で指定した価格以上になった場合
「板取引」で暗号資産を購入する方法
ここからは、実際に「板」を使った取引で暗号資産(ビットコイン)を購入する方法を具体的に見ていこう。
今回も「コインチェック」のブラウザ画面を使ってステップ毎に説明していく。
まずはコインチェックのトップページから購入できる「指値注文」からはじめてみよう。
コインチェックで「指値注文」する方法
❶ コインチェックの取引所にブラウザでログインする
こちらからコインチェックにログイン
コインチェック公式サイト
❷画面真ん中の「現物取引」の右上にカーソルを合わせて「BTC」を選択
❸ 「売り板」を見て取引きの状況を見る
今回はビットコインを購入したいので、まずは「売り板」の状況を見てみよう。
「売り板」の一番下にある価格が最も安く購入できる「レート」と「注文量」なので、まずはここを見てどれくらいの価格で売りに出されているのかをチェックするのがよいだろう。
この場合であれば、「1BTC = 2,988,294円」で「0.0117BTC」を売りたい人がいるということであり、この時点では最も安くビットコインを購入できる取引となる。
当然ではあるが、「売りたい人」は少しでも高いレートで売りたいし、「買いたい人」は少しでも安く購入したい。
板取引の経験が少ないうちは、この売り板の状況を見てどのレートで購入したらよいのかという感覚がわからないと思うが、ビットコインの動向を見るようになり何度か購入をしていくうちに、段々と感覚が身についてくるだろう。
まずは「売り板」「買い板」の動向を見て、少額で少しずつでも購入してみるとよい。
コインチェックで「成行注文」する方法
ここからは「成行」で注文する方法について記載していくのだが、暗号資産初心者はまたここで戸惑ってしまうことになる。
コインチェックで「成行」で注文するには、先ほど説明した「指値」注文の画面とはまた別の画面で取引をする必要がある。
では、どの画面で成行注文ができるかというと、以下の「Tradeview(トレードビュー)」から行うことができる。
ここでもステップ毎に解説していこう。
❶ コインチェックの取引所にブラウザでログインする
こちらからコインチェックにログイン
コインチェック公式サイト
❷Tradeview(トレードビュー)の画面を開く
コインチェックログイン後のトップページ左のメニュー下のほうにある「トレードビュー」をクリック
❸画面中央の右側にある「成行注文」をクリックする
❹「注文量」を入力
注文量の枠内に購入したい日本円の金額を入力する。
最大にはその時点で購入可能な日本円の残高が表示されている(この場合は25,175円)。
❺「買い成行注文」をクリック
内容に問題がなければ、緑ボタンの買い成行注文をクリックすれば購入が完了する。
❻ 取引の結果を確認する
指値のときと同じように、ウォレットにて取引の結果を確認することができる。
このケースでは25,175円の残高があったので、15,000円分を「成行」で取引した結果である。
以上で「成行」による注文を行うことができた。
まとめ:暗号資産の板取引
コインチェックの画面を用いて、暗号資産の板取引の見方から2種類の売買方法までの詳細ステップを解説してきた。
暗号資産は「販売所」よりも「取引所」で購入したほうが、手数料は断然に安くすむ。
そして「取引所」で売買するには、今回紹介した「板取引」についてよく理解をしておく必要がある。
暗号資産の売買の方法が2種類あったり、販売所と比較して購入までのステップがややこしかったり、購入する方法によって画面も異なったりと、暗号資産を始めたばかりの時はだいぶ戸惑ってしまうかもしれない。
ただし取引所の「板取引」を理解しなければ、手数料も高くとられるし、その後のステップアップも望めないと考えたほうがよい。
板取引は少しややこしいところがあるが、今回記載したようにまずは少額から何度か売買をしていくうちに自然と慣れてきて、いつの間にか普通に売買できるようになってるはずだ。
今後のためにも「板取引」に多く触れてみて、「板」についての理解を深めていくのが良さそうだ。
次の記事:コインチェックの5つの手数料
次は、コインチェックの5つの手数料についてそれぞれ詳細解説した記事へと進む。
ここまでの記事では、暗号資産初心者におススメしている「コインチェック」における口座開設からビットコインの購入の仕方まで解説してきた。口座開設から購入までのステップにおいて、何度か「手数料」という言葉が出てきたかと思う。このブ[…]
各手数料に関する説明と他の暗号資産取引所の動向・手数料を安く抑えるコツも含めてわかりやすく解説しているので、合わせて読んで欲しい。