ChatGPTのOpenAIにMSが1兆円の投資!検索エンジン-Bing-はどうなる?

前回の記事でも紹介した、今話題の「ChatGPT」

このChatGPTを手掛けるアメリカのAIベンチャー企業「OpenAI」に、マイクロソフトが1兆円規模の投資を行うとの発表があった。

今回の記事はこのマイクロソフトの投資によって、検索エンジン「Bing」がどうなっていくのか?

素人ならではの妄想混じりでいろいろと記載していこうと思う。

検索エンジン「Bing」とは?

「Bing」とは正確には「Microsoft Bing」と書いたほうがよいのかもしれないが、マイクロソフトが提供するポータルサイトのことである。

検索エンジンというと、もう「Google」としか出てこないくらいまでの存在になっているGoogleの検索エンジンだが、実はマイクロソフトも同じような検索エンジンを持っていて、それが「Bing」という訳だ。

BingもGoogleと同じように、検索する「キーワード」を入力することで、それに関連したサイトが表示される。

検索エンジンの機能としてはGoogleと同じようなものであるが、Googleとは異なる独自のアルゴリズムを採用しており、同じキーワードを入力したとしても、Googleの検索結果と同じものにはならない。

これまで検索エンジンの市場はほぼGoogleが独占していたところであったが、タイトルにもあるようにマイクロソフトがAIに1兆円規模の投資を行うことで、検索エンジンの在り方が一変する可能性もありそうだ。

検索エンジンにAIが搭載される?

ChatGPTの凄いところは前回の記事でも記載したとおり、世界中で大きな話題になっている。

そしてマイクロソフトはこのChatGPTを開発した「OpenAI」には元々出資をしている関係であったが、新たに1兆円規模を追加で出資することになり、これにより「OpenAI」のかなりの割合の株をマイクロソフトが占めることになる。

ちなみに、「OpenAI」はテスラ・Twitterなどのイーロン・マスクも設立に関わっている。

そしてマイクロソフトが何をしようとしているかというと、検索エンジンの「Bing」にChatGPTのようなAIを導入しようとしている訳だ。

これまでGoogleの独壇場だった検索エンジンに、「Microsoft Bing」が大きな風穴を開ける可能性がある。

それだけではなさそうで、マイクロソフトと言えば「Word」「Excel」「Power Point」などのOffice製品であるが、これらオフィスソフトにもChatGPTが組み込まれる可能性があるという。

この分野でも、Googleが無料で提供している「スプレッドシート」や「ドキュメント」「スライド」とどのような差別化がされるのかが非常に注目されるところだろう。

BingにAIが搭載されると?

検索エンジンBingにAIが搭載されるということは、どういうことか?

もう少し掘り下げて考えてみたいと思う。

BingにはGoogleと同じように、検索キーワードを入力するボックスがあるが、このボックスにChatGPTを使うときと同じように「プロンプト」と呼ばれるユーザーからの質問や依頼などを記載すればよいということになるはずだ。

つまり、これまではこの入力ボックスには目的の情報を得るための「キーワード」を1語~3-4語くらい入力し、そのキーワードによって検索結果に表示されたページや記事から自分の目的に合致したものを選択して読むことで答えを得る、という流れだった。

しかしBingにChatGPTなどのAIが搭載されることで、「キーワード」を入力するというよりも、自分の知りたい内容をそのまま入力ボックスにタイピングするという感じになってきそうである。

Bingはタイピングされた文字の内容を認識し、関連性の高い情報を取ってきて整理して回答を提示する 

ということになってきそうだ。

つまり、ChatGPTと同じように質問した内容に対してチャットで答えてくれるようになるはずだ。

ユーザーは検索結果の中から良さそうな記事を選択するのではなく、Bingの画面上に知りたい情報が一発で表示されることになる。

これまでのビジネスが一変する可能性も・・・

BingのAI搭載を皮切りに、検索エンジンにAIが搭載されるとなると、これまでのビジネスモデルも大きく変わってくる可能性がある。

まず「SEO」はどうなっていくのだろうか?

SEOとは、Googleなどの検索エンジンにて検索結果を上位表示させるためのあらゆる施策のことを意味しており「SEO対策」という言葉が良く使われる。

これまでは「キーワード」に対して、検索結果の上位に表示させ、自社・自身のサイトに訪れる人を増やすことで売上を伸ばすことをしていたが、今後は検索結果がいくつも表示されるのではなく、いきなりダイレクトに回答が返ってくるようになる。

質問の仕方によっても表示される回答の内容が変わってくる可能性がある。

例えば、「10万円以下で初心者向けのパソコンのおすすめを10個教えて」という依頼を出したときに、AIはどのようにして10個を選定して「おすすめ」として回答するのだろうか?

いきなり「おすすめ」の商品×10個が表示され、それぞれの口コミを知りたかったら「それぞれの商品の口コミを教えて」と依頼をだすと、おそらくそれぞれの口コミを回答してきそうである。

これまでのように、「記事」や「サイト」を上位表示させるという感じではなく、ダイレクトにどの「商品」がAIによって回答されるか?となってくるのかもしれない。

「プロンプト内容によってAIにどのように選定してもらえるか」を挙って競うようになってくるのではないか?

これまでとは大きくマーケティングのやり方が異なってきそうである。

AI搭載の新しい「Bing」を発表

こんな記事を書いていた2023年2月8日(水)に、MicrosoftがAI搭載の新しい「Bing」を発表した。

新しいBingが出る前にこの記事を投稿しようと思っていたのだが、先に発表されてしまった・・・

The Official Microsoft Blog

まだPCブラウザでの限定プレビューの提供からとなっているようだが、モバイル版もまもなく提供される見込み。

このBingで使うAIは「ChatGPT」そのものを使うという訳ではなく、ChatGPTよりも強力で検索エンジン向けにカスタマイズされているAIが搭載されているとのこと。

採用されているAIは、GPT-3.5というモデルをベースにしたChatGPTよりも強力で、検索用にカスタマイズされた大規模言語モデル「Prometheus(プロメテウス)」上で実行されているとのこと。

またChatGPTでは2021年までの学習データによる回答であったが、こちらは2022年以降の知識も持ち合わせている。

このBingでは「完全な答え」というところで、Bingはウェブ上の検索結果を検証して探している答えをみつけてまとめてくれ、複数の結果をスクロールすることなく、その場で詳しい説明を得ることができる との説明もある。

中央の入力するボックスの縦の幅が広くなり、ここには「何でも聞いてください」との記載がある。

1000文字まで入力できるようであり、質問する精度が高いほど回答が良くなるようである。

トップページに例題があったので、それを入力してみると上記のような結果が出てきた。

左側にはこれまでと同じように、入力した文章に見合った検索結果が表示され、右側には入力した文章への回答が作られている。

今回の質問

「9月に結婚記念日の旅行を計画してるんだけど、羽田か成田から3時間以内で行けるいいところを教えて。」

に対して、Bingの回答は以下のようであった

こんにちは、これはBingです。😊 結婚記念日の旅行、おめでとうございます!🎉

羽田か成田から3時間以内で行ける旅行先はたくさんありますよ。例えば、

・グアム:成田から直行便で約3時間40分で行ける常夏のリゾート地です。海・山・都市を楽しめます1。
・台湾:成田や羽田から台北には3時間半ほどで行けます。台湾グルメや夜市、パワースポットなどが魅力です2。
・ケアンズ:成田から直行便で7時間半で行けるオーストラリアの都市です。グレートバリアリーフへの玄関口で、海の中の世界を楽しめます1。
・北海道:羽田から新千歳空港までは1時間35分で行けます。雪景色や温泉、グルメなどが楽しめます3。

どれも素敵なところですね。どこに行きたいですか?

ChatGPTからの回答のように、質問内容に対しての回答を文章で返してきている。

左側には質問内容に合致する検索結果が表示されているが、これまでの「キーワード」ではなく「プロンプト」による検索結果となるので、今後のSEO対策は、プロンプトからどのように検索上位を狙えるのか? ということになるかもしれない。

まとめ:AI搭載の新しい「Bing」

記事の作成途中で新たな「Bing」が発表されてしまったが、やはり検索エンジンにもAIが搭載され、今後の使われ方によってこれまでのSEO対策やマーケティングも大きく変わってくるのではないか。

Google検索の独壇場だったところを、マイクロソフトがここで一気にAIを活用して巻き返しを図るようになったことで、GoogleもChatGPTのような対話型AI「Bard」を発表したようである。

まだ今日発表されたばかりなので、「Bing」の詳しいことまでは記載できてないが、順次この辺りの情報もアップデートしていこうと思う。